どーも!中山そーじろです。
にわかなのにボロ泣きしました。

何と言っても煉獄さんでした
完全に乗り遅れ組で長男に映画連れてかれたのですが(アニメは見た)、
映画、ヤバイ
息子よありがとう
こういった作品がコロナでボロボロになった中で大ヒットしているってのは今年一番の希望だと思います、本当に。

通り過ぎる人たちに「かわいい~」と言われ終始得意げだった長男
1)ただ守りたいのは家族 -炭治郎-
主人公の炭治郎は最強の戦士になりたいわけではなく「ただ鬼になった妹を人間に戻したい」です。ここが私にとってヒーローものや海賊王などの野心家主人公と違う一番の共感ポイント。
強くなければ優しくなれないし、家族でさえ守れない
だから強くならねば
これは家族を持つ父親として本当に共感するところで、守りたいものがあるからこそ頑張って今日も生きねばと思うわけです。
ただ家族を守る…鬼が襲ってくるわけでもない現代でも結構大変なのです。
そんな国で家族の健康、幸せ、将来を作り、支えていくってのは”当たり前”ではないです。
炭治郎は麓で寝てる間に家族を惨殺され、妹を鬼にされました。後悔しない日はないでしょう。
それを悪夢でまざまざと見せつけられても乗り越えてくその純粋な想いと強さには本当に感動し、奮い立たせられました。
「父ちゃんもっと頑張って強くならんと!」と。
2)どんな時代でも忘れてはいけない価値観 -煉獄さん-
ネットが発達し、働き方や物事への考え・価値観が大きく変わってきている昨今、特にコロナで炙り出されたのが、
「自分だけ良ければ良い」
価値を数字や生産性で計るようになり、誹謗中傷や自己責任の言葉がやたら飛び交うようになりました。
海外や多様性の考えを取り入れ、価値観をアップデートしていくのはとても良いことだと思いますが、日本の場合は代わりに「人としての尊厳」をどんどん失ってしまってきていると感じます。
「人としての尊厳」ってのは時代がいくら変わっても人である以上見失ってはいけないもの。
「隣人を愛す」じゃないですが「これを言ったら相手はどう思うだろう」「自分はどうなりたいのだろう」というものだと思います。想像力の欠如が全体的に著しいと。
尊厳ってのは大切にしたところでお金にもならないし褒められ優遇されるものでもない、だからこそ見失いやすいもの。
でも煉獄さんはその”守って貫くべき価値観”をこの上なく見せてくれたと思います。
義理・人情・尊厳・思いやり・信念・情熱・意地・根性…
「古いよオッサン」と言われそうですが、こーゆーの絶対に永遠に大切だと思うんです。しかも日本ならではの世界に誇るべき精神だと。
心震える感動もドラマもいつだってここらからです。
そんな価値観が急激に失われている気がする日本で、年代関係なく多くの人が映画館行ってこの大切さに触れて感動しているって、本当に素晴らしいことだと思います。

「炭治郎の恰好したい!」とゆーので「お面で勘弁して!」で妥協してもらいました
3)ノブリスオブリージュ精神の大切さ -煉獄さん-
直訳すると「高貴さは(義務を)強制する」という価値観ですが「強き者は弱き者を守る義務がある」ってことで、煉獄さんのお母さんの教えと一緒です。
恵まれた人は恵まれない人を助け、助けられた人たちはその感謝の気持ちを忘れずに生きていく、
そうみんなが思えれば世界はもっと良いものになるはず。
日本は全体のたった4.39%しかいない年収1000万円以上の人たちに税収の全体の49.1%を支えてもらってます。
なのに平民~貧民は有名人が寄付とかしたら「偽善だ、売名だ」と妬み、すぐに「オレらの
血税だ不公平だ」と偉そうに不満を言う。
(自分も含め)そんなヤツらを救おうなんて誰も思わなくなる、自分らで自分らの首を絞めてる。非常に良くない昨今。
私自身が優秀だったり金持ちなわけではないですが、はっきりしていることは
とても恵まれている
ということ。五体満足で大学まで行かせてもらって色々与えてもらって健康に幸せに生きれています。頑張ればチャンスだってないことはない。
東日本大震災のボランティアで自分の無力さを痛感してもっと成長しなきゃと思って転職したり、
「与えられて助けられながら生きてるんだから、自分でもできることはできる限りやろう!」
と強く思っていた自分が大変な日々の中で段々と薄まってきていることに煉獄家の強い信念に触れて気づいたわけです。
私も子供にそう教えられるように、
まずは自分がそうあろうとしなければ!
最後お母さんに認められて少年のように嬉しそうにほほ笑む煉獄さんの表情で何も感じない人はいないはず。
この映画で多くの人がその価値観に触れ、自分を見つめ直したら…
「映画が一番幸せな世界を作る可能性ある媒体なんじゃねーの!?」とすら思います。

はい!頑張ります!
アニメ技術のことは良くわかりませんが、今回の作画・音楽・演出・声優さん演技、ハンパなかったと思います。
「バトル→成長」を繰り返すものは必ず強さのインフレ問題が起こりますがこの映画内だけではそれが起きてない。
下弦の鬼とのバトルも凄くて楽しんだのに、上弦とのバトルの方が圧倒的で差が明確で、
「さすが上弦の鬼や、そして煉獄さんの強さもハンパねー」
と素直に驚きとハラハラでライド感100%になる衝撃的な演出でした。(てかここまでやっちゃって他の柱たちとか、無惨とかの強さどう表現するのかしら…)
「まさかアニメでここまでテンションあがるとは…」と思った人多いんじゃないでしょうか。
あとコアファンが多い人気作の映画化に付き物の「初めて見る人対策」、
最初にあらすじ的な説明入れたりしてないのに、数分のやり取りだけで「主人公はとにかく良いヤツ、金髪の子はお調子もののビビり、イノシシは不器用だけど真っ直ぐ、煉獄さんってのはオーラが段違い」みたいな基本設定がスッと想像+理解できるようになってる。
漫画からのファンをヤキモキ待たせず、新規ファンも置いてかない絶妙なバランスと技術の演出に感服しました。すごい。
個人的に一番好きなキャラは善逸でして、今回の霹靂一閃のカッコ良さったら無く、痺れました。あと伊之助の「どんなに惨めでも恥ずかしくても生きてかなきゃいけねーんだ!修行するぞこらー!」の叫びも最高でした。
「いや、それはフィクションだから」ってすぐ言っちゃうけど、深層心理ではみんなそんな純粋でひたむきでカッコ良い人に憧れてるしなりたいって思ってるわけです。
映画終わって振り返ったら若者も大人も泣いていて、子供たちは楽しかったとピョンピョン跳ねてる。シアター出たら5か所ぐらいから多くの人が同じ興奮と感動を抱えて出てきて、フロアにその熱気が充満してる。
そんな映画館の光景、イベント以外で初めて見ました。
今年はずっとガラガラな映画館でしたので、その光景に私でさえ感動、映画関係者の方たちは尚更でしょう。
ブームに距離取っちゃう気持ちもわかりますが、
これは今こそ、絶対映画館で観た方が良いと思います。